令和2年度第3次補正予算によるUNIDO経由の支援(7.29百万米ドル)

令和3年4月19日


 
 日本政府は、令和2年度第3次補正予算によって、アフガニスタン、エリトリア、ガボン、ガーナ、イラン、イラク、マダガスカル、パレスチナ、タンザニア及びイエメンにおいて、国連工業開発機関(UNIDO)が実施する計10件のプロジェクトを通じて、総額約7.29百万米ドル(約8億2百万円)の緊急人道支援を行うことを決定しました。



 

本19日、引原毅在ウィーン日本政府国際機関代表部大使と李勇UNIDO事務局長は、ウィーン国際センターにて、本件拠出事業のキックオフ・セレモニーを開催し、対象国・地域の政府代表部大使等や本件事業を立案した日本人職員を含むUNIDO職員がオンラインで参加しました。
 
 これらの事業は、新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の「人間の安全保障の危機(Human security crisis)」において、危機を乗り越え「より良い復興(build back better)」を目指す諸国をサポートするものです。具体的には、個人防護具(PPE)生産や医療用廃棄物処理等新型コロナへの直接的対策を行うプロジェクト、新型コロナの危機の影響を受けた脆弱な社会における雇用創出・職業訓練・産業強靭化により経済活性化を行うプロジェクトなどを実施します。

 

 

    

 

キックオフ・セレモニーにおいて、引原大使は、特に途上国の社会経済が新型コロナ危機による影響を大きく受ける中、産業開発を推進するUNIDOの果たす役割への期待が高まっているとし、本件事業において、ドナー国、裨益国・地域及び民間セクターを繋ぐプラットフォームとしてのUNIDOの機能が十分に発揮され、日本の技術・ノウハウの移転等を通じて裨益国・地域の産業化に貢献することへの期待を述べました。そして、困難な状況の中でこそUNIDO及び裨益国・地域との連携が重要であり、日本として国際社会の安定と繁栄に向け協力していく旨を表明しました。
 
 李勇UNIDO事務局長は、新型コロナ危機が国際協力にとって挑戦であり、危機からの復興が、より良く、より環境に優しく、より包摂的な方法で再建するチャンスともなっていると指摘しました。さらに、我が国の新たな拠出への謝意を表明し、日本はISIDの推進に向けたUNIDOの重要なパートナーであり、日本からの強力な支援が、加盟国のより良い復興(build back better)だけでなくさらなる発展(build up better)に資するものとなることへの期待を述べました。
 
 続いて、各事業の実施を担当するUNIDOスタッフから、事業の目的や期待される成果等に関するプレゼンが行われ、各裨益国・地域の大使らからも、今次拠出事業の成功への期待とともに、我が国支援への謝意が述べられました。



 


【関連リンク】

UNIDOプレスリリース:”Japan supports ten UNIDO projects with US$7.29 million”
https://www.unido.org/news/japan-supports-ten-unido-projects-us729-million


【参考】令和2年度第3次補正予算による拠出によって行われるUNIDO事業一覧

●アフガニスタン(0.48百万ドル)
「ヘラートにおける帰還民、国内避難民及びホストコミュニティに対するスキルトレーニングを通じた生計改善のための緊急支援」

●エリトリア(0.50百万ドル)
「リスクに晒されたエリトリアの若者のための雇用創出促進」

●ガボン(0.65百万ドル)
「個人防護具(PPE)・衛生用品の国内サプライチェーンの強化を通じた、COVID-19 に対する公衆衛生・社会の強靱性の促進」

●ガーナ(0.73百万ドル)
「循環型経済アプローチによるPPEサプライチェーンの強化を通じた、COVID-19 に対する公衆衛生・社会の強靱性の促進」

●イラン(0.55百万ドル)
「選択されたバリューチェーンの強化を通じたシスタン・バルチスタン州の女性及び若者に焦点を当てた脆弱なコミュニティの生計及び経済的エンパワーメントの促進」

●イラク(1.15百万ドル)
「イラク・クルディスタン地域における国内避難民及びホストコミュニティ内の新型コロナウイルスの社会経済的影響の緩和のための緊急生計支援及び雇用創出」

●マダガスカル(0.86百万ドル)
「COVID-19に関するものを含む医療・健康廃棄物の環境適合的な管理のためのベスト・プラクティス及び技術の導入」

●パレスチナ(0.97百万ドル)
「ガザ地区のレジリエンスと社会的安定を強化するための女性及び若者の経済的統合の促進(持続可能なエネルギー、職業訓練、雇用創出及びビジネス連携へのアクセス)」

●タンザニア(0.68百万ドル)
「PPEサプライチェーンの強化を通じた、COVID-19 に対する公衆衛生・社会の強靱性の促進」

●イエメン(0.73百万ドル)
「イエメンにおける国内避難民及びホストコミュニティの収入発生活動へのアクセス改善を通じた社会の安定化促進」