核軍縮・核実験禁止

令和2年5月7日


 包括的核実験禁止条約(CTBT)は,全ての核兵器の実験的爆発または他の核爆発を禁止することを目的とし,条約の遵守を検証するために国際監視制度(IMS),現地査察,信頼醸成措置等から成る検証制度を設けた核軍縮不拡散上極めて重要な条約です。日本は,唯一の戦争被爆国として,同条約の推進を重視しており,特に残り8カ国の発効要件国(注)の批准による条約の早期発効と,北朝鮮による核実験の確実な検知を念頭に検証体制の確立と維持を重視しています。

 

日本は,条約の早期発効に向けて,発効促進会議,CTBTフレンズ外相会合,賢人グループ(GEM)による取組への積極的な関与及び支援に加え,二国間協議や国際的・地域的フォーラム等様々な機会を捉えた発効促進のよびかけや条約への署名・批准の働きかけに積極的に取り組んでいます。また,検証体制については,日本は,IMS10カ所の監視施設及び実験施設を維持・運営している他,世界各国のIMS施設の運営者に対する能力開発や検証体制関連分野への任意拠出を通じて,その強化に貢献しています。

 

 日本は近年,この分野で一層積極的に重要な役割を担っています。20141月から8月まで,小澤ウィーン代表部大使(当時)がCTBTO準備委員会議長を務めました。さらに20159月に開催された第9CTBT発効促進会議(於:NY)では,我が国の岸田外務大臣(当時)がカザフスタンのイドリソフ外相と共に共同議長を務め,日本は同会議後2年にわたり,カザフスタンと共に発効促進共同調整国を務めており(20179月まで),当地ウィーンでの関連会合においては北野ウィーン代表部大使(当時)がカザフスタンのサリベイ大使と共に共同議長を務めました。201510月には,日本はカザフスタンと共に首脳間でCTBTに関する共同声明を発出し,20163月には,核セキュリティサミットの機会に同様の共同声明を発出しました。また,条約署名開放20周年の2016年に数多く開催されたCTBTに関するシンポジウム等に北野大使(当時)がスピーカーとして参加する等,条約の啓蒙活動にも力を入れた活動を行いました。20169月には,岸田外務大臣(当時)が第9CTBTフレンズ外相会合(於:NY)において豪州と共同議長を務め,また,20189月の第10CTBTフレンズ外相会合(於:NY)では河野外務大臣(当時)が豪州と共同議長を務めました。

  

日本は米国,中国に次ぐ第三位のCTBTO通常分担金貢献国です。これに加え,日本は,検証体制関連分野への任意拠出を積極的に行っており,最近では北朝鮮による核実験の検知能力の強化に貢献するための2,428,900米ドルの任意拠出(20173月)や,IMSの補助地震観測所を改修するための803,571米ドルの任意拠出(20193月)を行いました。また,1995年以降,毎年グローバル地震観測研修を開催し,核実験の探知に必要な地震観測技術や核実験を識別するデータ解析技術を習得し,CTBTの検証体制において重要な役割を果たせる人材の育成にも取り組んでいます。

 

 日本は,CTBTの早期発効と条約に基づく検証体制の強化に向けて引き続き積極的に貢献していきます。

 

(注:米国,中国,イスラエル,イラン,エジプト(以上署名済み・未批准);インド,パキスタン,北朝鮮(以上未署名・未批准))

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