「IAEA/ARTEMISレビューミッション(調査団)」受け入れに関する文書の手交

令和元年9月26日

1.9月17日、引原毅大使及びミハイル・チュダコフ国際原子力機関(IAEA)事務局次長(エネルギー担当)の立ち会いの下、千原由幸文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当)及びクリストフ・グゼリIAEA核燃料サイクル・廃棄物技術部長の間で「IAEA/ARTEMIS(アルテミス)ミッション(調査団)」受入れに関する取決めの手交が行われました。

2.IAEA/ARTEMIS(Integrated Review Service for Radioactive Waste and Spent Nuclear Management, Decommissioning and Remediation Programmes)は,原子力施設の廃止措置や放射性廃棄物等に関するIAEA安全基準や他国の実経験を基にしたピアレビューミッションサービスです。文部科学省では,日本原子力研究開発機構(Japan Atomic Energy Agency: JAEA)が2018年12月に公表した「バックエンドロードマップ」に対するレビューミッションを実施する調整を進めてきました。

3. 引原大使からは、「JAEAは日本の原子力に係る研究開発において重要な役割を務める機関であり,レビューが有意義なものになることを期待する」旨、発言しました。 千原審議官からは,「ロードマップは,マップ全般の妥当性やJAEAの試算に対する国民の理解のためにもよく精査される必要があり,ミッションからの助言は大変有益である」旨,発言しました。

4. 手交式には児玉敏雄日本原子力研究開発機構理事長が同席し, IAEAのミッションの受け入れに備え,必要な準備を進めていく旨,IAEAに伝えました。

(参考)
・ARTEMIS(アルテミス)ミッションの概要
IAEAが2014年から開始した放射性廃棄物、使用済燃料管理、廃炉、除染に関する総合的レビューサービス。加盟国からの要請に基づき、レビューの対象範囲や内容を調整した上で、専門家を招集しピアレビューを実施する。

・我が国の要請
JAEAでは、JAEA 全体の廃止措置に係る対策の見通しを「バックエンドロードマップ」として取りまとめ、昨年12月に公表した。同ロードマップにおいては、バックエンド対策(施設の解体、廃棄物の処理処分等)に要する費用として、約1.9兆円の試算額が示されている。バックエンドロードマップ全般の妥当性や、バックエンド対策に要する費用について、試算手法を精査し、今後のバックエンド対策や費用の試算精度の向上に関する助言を受けることなどを目的として、文部科学省及びJAEA においてARTEMIS レビューの実施を決定し,本年4月に文部科学省よりIAEA に対する正式要請文書を発出し、6月にIAEA から受け入れの返信文書を受領した。