大塚理代(国際データセンター局運用専門官)さんへのインタビュー

2017/2/1
CTBTOに勤務することとなった経緯や動機について
 
前職では、防災目的基盤的地震観測網の整備計画の一環として立ち上げられた海底地震総合観測システム設置運用プロジェクトに約5年半携ってきました。そこでは、主に、海底観測システムの保守運用、システムから取得される地震データ等の解析及びデータ公開を担当しました。しかしながら、常々心の片隅にあった、世界唯一の被爆国である日本人として核不拡散に関する仕事に携わりたいという思いが強く、またこれまで培った観測技術が生かせるという事でCTBTOの公募に応募しました。
 
CTBTOでの仕事内容について
 
国際データセンター局運用課の主要業務は、国際監視制度局にて世界に設置された核実験監視観測所の保守運用にあります。特に、アメリカ、カナダ、メキシコ、アルゼンチン、ペルー、チリ、コスタリカ、日本、チュニジア、ルーマニア、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、チェコ、アイスランド、ウガンダ、南アフリカ、英国及び南極に設置された核実験監視観測所の保守運用が私の主業務となります。地震監視観測所・微気圧振動監視観測所・水中音波監視観測所の主担当官として、データ受信監視、データ品質管理、観測システムの問題解決及び技術開発、観測点を支援している加盟国への技術協力提供、観測所保守運用契約の管理をしています。また、観測所保守運用には、現地査察及び現地観測点での技術改良、現地オペレーターの訓練も含まれており、必要に応じて現地を訪れます。さらに、当組織の観測データは加盟国に配信されているため、途上国の技術能力構築あるいは組織的能力を構築することを目的としたキャパシティビルディングも担当しております。
 
CTBTOでの仕事の魅力ややりがいについて
 
前述のCTBTOの公募に応募した動機でも述べましたが、世界唯一の被爆国である日本人として核不拡散に関わる仕事ができるという事が私にとっては何より大きなやりがいになっています。また、これまで地震学で学んできたこと、観測実務経験から得た技術は現在の仕事に直接結びついていると思います。
 
CTBTOでの仕事を通して挑戦・経験したいこと
地球規模で得られる当組織の観測データは核実験探知に寄与するのみならず、地震・津波・火山噴火あるいは地球内部構造研究、隕石衝突の検知、大気・気象の研究、水中火山の位置決定、自然放射能の研究など種々の科学的あるいは民生的利用も期待されています。将来はこれらのデータを使い、人類の生活に役立つ研究をしてみたいと思っています。
 
ウィーンでの生活の印象について
 
職場と自宅との往復になりがちですが、そのような生活の中でも、職場の外へ出ると耳に聞こえるバイオリンの音にチェロの音、時にはピアノの音、街の至るところから聞こえてくるクラッシック音楽に心癒され、街全体が音楽に包まれているといっても過言ではないような空気があります。毎年夏にはウィーンフィルのサマーコンサートがシェーンブルン宮殿のお庭で開催され、その賑わいはお正月の初詣のような感じですが、幼き子供からご老人までピクニックシートを持参し、ワイン片手に楽しむ姿を拝見しているとオーストリア人にとってクラッシック音楽が正に生活の一部になっているのを実感し、とても身近な音楽のように感じます。そしてそのコンサート最後には皆がウィーンナーワルツを踊りだすという、地元の人が如何にクラッシック音楽をこよなく愛しているかが伝わる心が温まる光景を目の当りにして心躍り、「音楽の都」を肌で感じ楽しんでいます。