長崎大学核兵器廃絶センター(RECNA)学生とのスカイプ対話の実施について
平成28年3月18日



- 3月18日、当代表部と長崎大学をインターネット(スカイプ)で繋ぎ、初めてとなる「ビデオ対話」を開催しました。今回の対話では、北野ウィーン代表部大使、長崎大学核兵器廃絶センター(RECNA)に所属する学部生が参加したほか、外務本省の村上軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課長が出席し、ウィーン、長崎、東京を繋いでの対話となりました。
- 今回の対話で北野大使は、核軍縮分野に関心を持つ学生達に対し、核軍縮等の国際的諸課題に取り組む当代表部の業務や役割、政府代表部と国際機関との関係について紹介した上で、CTBTの意義や今後の課題、国際機関への就職の展望等について話しました。その中で、北野大使は、署名開放後20年が経過するCTBTについて、広島と長崎における原爆投下を経験した日本と、ソ連時代に数多くの核実験が行われたセミパラチンスク核実験場(既に閉鎖)が位置するカザフスタンが、発効促進共同調整国として、CTBTの発効に向けた取組を共同で行っていくことの意義は大きく、また両国に対する国際的な期待も高いことを紹介しました。政治的関心の喚起や、国境や世代を超えて市民的な核実験禁止の啓発の取組を強化することに加え、検証体制を更に整備していくことの重要性について説明しました。また、国際機関への就職については、特にJPO制度を活用して、より多くの若者が国際機関でのポスト獲得に挑戦していくことに期待を寄せました。
- 参加していた学生達からは、活発な質疑が行われ、大使の1日の仕事や国際機関への就職に向けたキャリア選択、国際機関でのインターンシップの可能性、国際機関とホスト国・市との関係性等、多岐にわたる質問が出されました。また、対話終了後、学生達から、「普段聞けない話を聞けて良かった」「面白く、ためになった」「また少し違うテーマでも話を聞いてみたい」等の声が寄せられており、充実した対話の機会となりました。
【参加した学生の声】
●長崎大学多文化社会学部1年 浅田さん
今回の対話に参加した理由は、私が国際系の学部に属しているため、卒業後の進路として国際機関などを視野に含めていたからでした。さらに、今まで特命全権大使という職業については名前を聞いたことがあっても、具体的なことは何も知らなかったため、興味を持ちました。お話を聞く中で文系の自分の能力が活かせる場面は、国際機関では少ないかと考えていましたが、今までとは違う側面でこれからの将来を考える良い機会となりました。
●長崎大学経済学部3年 豊田さん
今回のスカイプ対話では、国際機関で活躍する日本人の生活の一端をのぞけたように思います。国際機関で働く道もある、と示されたことで、自身の活動におけるモチベーションの向上やキャリアとしての選択肢が増えたと感じます。とくに海外で活躍される政府の方と直接対話したことで国際社会の動向などがより身近に感じられ、我が事として諸問題について考える機会が増えました。今後より具体的に、人材を欲している団体と求められる専門知識や人物像といった現地でのニーズを知りたいと感じました。