北野大使のイスラエルCTBTOワークショップへの出席について

平成27年4月15日
1.4月13日,CTBTO主催で,イスラエルのラマト・ガンにおいて,CTBTOの「OSIワークショップ22パート1」ハイレベル会合が開催され,北野充ウィーン代表部大使が出席しました。同ワークショップは,昨年11~12月にヨルダンで開催されたOSI(現地査察)のIFE14(大規模統合野外演習)をレビューするため12~16日の間,開催されているものです。13日のハイレベル会合には,ゼルボCTBTO事務局長,イスラエル政府関係者(原子力エネルギー委員会や外務省幹部),在ウィーン代表部大使(日,露,カザフスタン,イスラエル),EU幹部等が参加しました。
 
2.IFE14を概括するセッションにおいては,CTBTOよりIFE14の結果の説明,外部評価チームより評価結果の説明が行われ,活発な討議が行われました。この中で,IFE14が前回2008年の演習と比べて格段の進展を遂げたこと(例:多くの核実験検知技術の総合的な活用),今後のOSIの完全な機能に向けて多くの有益な教訓を与えるものであったことのほか,CTBTのビジビリティ向上に大きく貢献したことが確認されました。IFE14の結果は本年8月に「ハイレベル報告書」としてCTBT署名各国に提出される予定です。
 
3.引き続いて行われた,今後のCTBTOに関する自由討議においては,CTBTの検証体制が最早機能し,確かな核実験検知能力をもっていることがIFE14で更に裏付けされたことが多くの参加者より言及されました。また,残る8つの発効要件国の一つであるイスラエル(注:署名済。未批准)が今回のワークショップをはじめ,積極的な関与を行ってきていることに多くの参加者より強い支持が表明されました。北野大使は,CTBT発効促進会議指名共同議長として,イスラエルの積極的な関与を歓迎し,同国の条約早期批准に向けて後押ししていきたい旨発言しました。議論の中で,同国の条約批准は仮の(if)問題ではなく,いつ(when)批准するかの問題であり,その環境作りのために関係者・国が努力する必要性が確認されました。
 
4.中東非大量破壊兵器地帯設置構想に関係しては,中東地域の不安定化・安全保障上の脅威が指摘され,地域関係国間の対話の必要性が認識されました。また,北野大使は,NPT運用検討会議に向け,既に会議開催に向けて五回の非公式会合が開催されるなど積極的な動きもあるため,そういった要素を更に押し進めていくことが重要である旨述べました。
 
(写真は,ハイレベル会合及びイスラエル国内視察時の様子です。)