ワークショップ「国際保健と放射線医療-持続可能な開発目標の時代における好機と課題」の開催

2015/11/16
11月16日、当代表部主催のワークショップ「国際保健と放射線医療-持続可能な開発目標の時代における好機と課題」が開催されました。
本ワークショップは、国際原子力機関(IAEA)がそのユニークな科学技術の専門的知見により、国連で新しく採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の保健分野において果たしうる役割に焦点を当てることを目的としたものです。ワークショップでは当代表部の加納雄大公使が司会を務め、日本及びIAEAからの専門家が、国際保健政策とこの分野においてIAEAの果たしうる貢献についてプレゼンテーションを行いました。


基調講演を行った渋谷健司教授(東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室)は、講演のはじめに福島第一事故後の現場での同教授の活動に触れた上で、持続可能な開発目標におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの概念について、特にがん対策に重点を置いて説明しました。この観点から、渋谷教授は、IAEAが国際保健分野で果たしうるユニークな貢献に対する期待を述べました。


その後、IAEAから2名のコメンテーターがそれぞれIAEAの役割につきプレゼンテーションを行いました。アブデル・ワハブIAEA原子力科学・応用局保健部長は、IAEAの放射線医療に関する専門性に焦点を当て、同部の活動について説明を行いました。同部長はがん及びがん関連の死亡者数の将来における増加見通しと資金ギャップについて説明し、重複を排除するためのステークホルダー間のより良い連携、革新的な資金調達、Eラーニングや遠隔データ共有の必要性につき言及しました。エンヴェレム・ブロムソンIAEA技術協力局がん治療対策(PACT)部長は、がん対策とその他感染症対策の間にリソース配分のギャップに言及しつつ、PACTがこの課題に対してできる貢献について説明しました。


質疑応答では、司会者と登壇した専門家の間で、よりよいパブリックコミュニケーションを通じてIAEAが行う保健などグローバル開発分野における貢献について如何に一般の認知度を高めることができるか、また、PACTが資源動員やステークホルダーとのパートナーシップを通じて如何に効果的に活動を促進できるかについて、議論を交わしました。


本ワークショップの結びに、参加者はフランス・パリで起きたテロの犠牲者への哀悼を込めて、一分間の黙祷を捧げました。
司会の加納公使は参加者に感謝の意を表し、ワークショップを終えました。
 

参考

渋谷教授のプレゼンテーションスライド

東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室

IAEA原子力科学・応用局保健部

IAEA技術協力局がん治療対策(PACT)部