令和4年 春の外国人叙勲

2022/4/29

    令和4年4月29日、日本政府は令和4年春の外国人叙勲受章者を発表しました。ウィーンに所在する国際機関の関係では、マルコム・クリック(Mr Malcolm Crick)原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)元事務局長に対して、同氏の原子力放射線の影響に関する理解の促進への寄与に鑑み、旭日中綬章が授与されることとなりました。

    クリック氏は、2005年から2017年までUNSCEARの事務局長を務められました。同氏はチェルノービリ原発事故後の安全評価に取り組んだ経験と自身の専門性を活かし、2011年の東電福島第一原発事故以降、事故に関連する原子力安全に関する最新情報を継続的にフォローし、新たな科学的知見に基づくUNSCEAR福島報告書等の作成・公表において重要な貢献を行われました。

    UNSCEAR福島報告書は、日本の報道機関や関係府省庁に共有されたのみならず、福島市、郡山市などでの住民説明会、福島大学でのセミナーなどを通じて幅広い関係者に対し発信され、科学的、かつ、中立的な観点から国際機関が発信する情報として、多くの人々に好意的に受け止められました。こうした取組は、日本における原子力放射線の影響に関する誤解を解き、かつ風評被害を抑える上で重要な役割を果たしました。

    事故後10年周年という節目を越えても、なお放射線影響に対する風評被害は残っています。2021年3月には最新の科学的知見を踏まえたUNSCEAR福島報告書改訂版が公表され、事故による放射線被ばくが直接の原因となる健康影響(発がん等)が将来的に見られる可能性は低いとの専門家の見解が確認されました。このような現在に至るまでの取組の基礎を、事故直後からの積極的な活動により築き上げられたクリック氏の功績は極めて大きなものです。

    在ウィーン国際機関日本政府代表部として、今回のクリック氏の受賞を心からお祝いいたします。



リンク:

日本の勲章・褒賞(内閣府ホームページ)
https://www8.cao.go.jp/shokun/index.html
外国人叙勲受章者名簿(外務省ホームページ)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/protocol/jokun.html